YOU&I
「ところでさ」
「なに?」
「頭染めようかと思うんだけど、何色がいい?」
唐突な涼喜の質問に、あたしは思わず口が開く。
「え!?染めるの?」
金髪はポリシーだ、と主張し続け、教師の説教をのらりくらりと逃げ続けてきた涼喜。
そこまでして金髪を守り続けたのは、ただ金が好きなだけだったのか?
あたしが驚いていると、涼喜はそんなあたしを見て、クックッと喉を鳴らして笑った。
「由衣ちゃんはほんと予想通りの反応するよね!‥あ、薬局発見!ちょっと寄ろ!」
「ちょっと待ってよ!なんで染めちゃうの!?」
さっさと薬局に入っていった涼喜を負いかけながら問いかける。
「んーやっぱ無難に茶髪にしとこうかなーでもなー」
「あのー無視ですか?」
「なんですか、由衣ちゃん(笑)」
「なんで染めるのって」
「…しょうがないなー後で話すよ!」
「(‥しょうがないって)」
妙に納得いかないまま、涼喜はさっさとカラーリングをレジへ持っていく。
どうやら彼は、財布だけはいつもポケットに入れて肌身離さず持っているようだ。
あたしも化粧品などを物色しつつも、財布は学校なのでなにも買わなかった。
「よし、補導される前に行くよー由衣ちゃん!」
「待ってよーもうっ」