YOU&I
「咲って、その子ね」
まだ濡れた頭のまま、涼喜はベッドを背凭れにし、床にドカッと座った。
そして携帯をイジる。
「可愛いね」
写真の中でニッコリ笑う咲さんは、お世辞抜きに可愛い。
「‥ていうか咲の感想の前に、俺の頭の感想は?」
呆れたように笑ってそう言う涼喜。
金髪とは違って赤っぽい茶色は落ち着きがある色で、むしろ金髪より似合う気がした。
「とてもいいと思いますけど」
「…素直に誉めればいいのに」
「…」
なんだか素直に人を誉めれない意地っ張りなあたしの性格を見透かされたようで、少しイラッとする。
「てか降りなさい。そんなとこにいたら襲うよ?」
涼喜が言うと冗談には聞こえなくて、あたしは素直に素早くベッドから降りる。
そしてベッドの横にあるソファに座った。
「そういうとこは素直なんだね、由衣ちゃん」
少し残念そうに言う涼喜。
当たり前だ。
「ねー由衣ちゃんさ」
「え?」
部屋をグルッと見渡すあたしに、涼喜が不意に声をかける。
「俺の言葉の意味に気付いた?」
…どの言葉だ?