YOU&I
冷静になりたかったのに、余計混乱してきたあたしは、早めにお湯を上がった。
体は十分過ぎるくらい火照って、なんだかふわふわしている。
とりあえず涼喜にはちゃんと返事をしようと心に決める。
正直まだわからないから、それを伝えようと思う。
このままうやむやに流すよりは、そっちの方が絶対いいと思ったから。
顔だけ洗ったので、洗面台で軽く化粧をし、涼喜の部屋へ向かう。
「あ、おかえり~由衣ちゃん」
涼喜はまだゲームをしてて、1度あたしの方を見てからまたテレビに集中していた。
あたしは再びソファに深く腰を下ろし、改めて涼喜の後ろ姿を眺める。
「あ!」
「んー?」
涼喜のガラッと変わった頭の色を見て思い出す。
ここへくる前薬局で、金髪をやめる理由を教えてもらう約束をした事を。
「ね、涼喜」
あたしが話しかけると、涼喜はゲームをやめ、コントローラーを床に置いてこちらを向いて座った。
「なした?」
「どうして金髪やめたの?」
あたしが尋ねると、涼喜の顔は一瞬、強張った。
でもすぐにいつも通りへらっと笑う。
「‥話すって約束だったね」
「うん…」
聞いてはいけないような雰囲気が漂い、あたしは少し戸惑う。
「じゃ、俺の昔話といきますか!」
気合を入れ直すようにそう言い、涼喜は話し始めた。