YOU&I
「由衣ちゃん」
大体お皿に盛り付け、涼喜を呼びに行こうとしたとき。
涼喜と同じ呼び方で、そっくりな雰囲気で呼び止める美佳さん。
「‥はい?」
「リョウちゃん呼ぶ前に…ちょっとだけいいかな?」
ドキッとしたけど、なんとか気持ちを落ち着かせる。
やましい事もなにもないし。
あたしは美佳さんに促されるまま、食卓のイスに向かい合うように座った。
「リョウちゃん、茶髪に戻ってたね」
「え?あ、はい‥」
涼喜なりの"愛情表現"であり、"未練"でもあった金髪は、もう見られない。
「リョウちゃんと深い話をするわけじゃないんだけどね、1度だけ聞いた事あるの。あの金髪は愛情だって」
「…あたしも、聞きました」
「本当?‥それで、こんな事由衣ちゃんに聞いちゃいけないかもしれないんだけど…」
「?」
言い難そうに、1度目線を落として躊躇う美佳さん。
あたしはハテナマークを浮かべる。