YOU&I


あたしは直感した。
美佳さんは、経験した事あるんだ、と。
涼喜と咲ちゃんの付き合い方を見て、その頃の自分と被ったんじゃないだろうか。
そうじゃなければ、きっとそんな付き合い方、まともな親なら誰も認めないと思う。
でも美佳さんは認められないけれど、邪魔もできなかった。
涼喜のハマッてしまう気持ちが、痛いほどわかったから。


「…あたしは、ないです」

「そっか。でも私、リョウちゃんに由衣ちゃんみたいな子がいるって知って安心したわ。…あの恋愛にけじめをつけれたのは、きっと由衣ちゃんのおかげなんだろうなぁ」

嬉しそうに、幸せそうに、美佳さんはそう言って綺麗に微笑んだ。
親ってすごいなぁ。
子供の事は全部、お見通しなんだね。

「恋愛としてじゃなくても全然いいから、友達として、これからもリョウちゃんのことお願いするわ」

「‥はいっ」

「まぁ、由衣ちゃんみたいな子がお嫁にきてくれたら嬉しいんだけど♪」

あ。
真面目な話をした後、必ず最後におどけてみせるところ、涼喜と同じだ。
やっぱり、親子ってすごいな。


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