YOU&I
-不安-
色濃い1日を過ごしたあたしは、それからなんともない日々を送った。
新しい友達もたくさんできたし、啓ちゃんとは前ほどではないけど、仲良しです。
でもあたしはどうしても、啓ちゃんに咲ちゃんとの話は1度もできないでいる。
変なプライドというか、意地のようなもの。
「ねぇ由衣」
「え?」
気付けばあたしの事を"由衣"と呼び捨てするようになった涼喜。
「そろそろ俺達付き合おうよ」
「…リョウちゃん、そのセリフ飽きない?」
あたしはほぼ毎日のように暇な日は涼喜の家に入り浸るようになった。
そして美佳さんの影響であたしも自然と涼喜の事を"リョウ"とか"リョウちゃん"と呼ぶようになっていた。
「全っ然飽きないね!」
あの日以来、1ヶ月以上、事ある毎に"付き合おうよ"と言うリョウ。
半ば意地になっている気もする。
実を言うと、周りの友達からも"なんで付き合わないの?"って、しつこいほど言われている。
あたしは今やリョウの事はスッパリ断言できるほど好き。
でも、今更付き合うとか付き合わないとか、そんな口約束が煩わしく感じるんだ。