YOU&I
「ねぇ、そういえばさ」
ゲームを見て何かを思い出したように、哲也はあたしの方へ振り向いた。
「ん?」
「リョウ兄と由衣って付き合ってんだっけ?」
生意気にあたしを"由衣"と呼び捨てにする哲也。
「‥付き合ってはないけど」
「じゃーなんで入り浸ってるわけ?リョウ兄は?」
「リョウちゃんはお約束があるらしいですよ」
「あー、アイツか。なるほどね」
…何、今の。
「ちょっと哲也!?」
あたしに捕まると予知したように、哲也は素早く逃げ、階段を上っていった。
人の家で鬼ごっこするわけにもいかず、あたしは階段の前まで追いかけて、ゆっくり上る。
哲也は部屋に入ってしまったので、あたしはリョウの部屋に入り、携帯をいじる。
ガチャ
「わっ、なに、哲也」
「…コレ」
にかっとイタズラに笑いながら、手の中にあるものを持って部屋に入ってくる哲也。
「なにそれ?」
あたしは立ち膝をし、哲也の手の中を覗き込む。