YOU&I
自業自得とは、まさにこの事を言うのだろう。
"鈴島は鈴島なりに不安なんじゃない?"
お昼のときのあーちゃんの言葉が頭に甦る。
あたしが、悪いんだ。
「由衣のバカ野郎」
哲也はそれだけ言うと、あたしを抱き締めた。
「…ちょ、哲也?」
哲也は本当にリョウとそっくりで、そして身長が高い。
きっと中学校ではさぞかしモテているだろう。
リョウ以外に抱き締められたのは初めてのあたしは、思ったよりパニックにはなかった。
だって、哲也からはリョウと似た香水の匂いがするから。
あたしの肩に顔を乗せたまま動かなくなった哲也。
あたしはそっと哲也の背中に手を回すと、哲也があたしを抱き締める腕にも一層力が込められる。
「ねぇ哲也」
「…由衣、俺、リョウ兄には由衣と付き合ってて欲しい」
あたしの耳元でそう呟いた哲也の一言に、あたしの涙腺はいきなり壊れた。
一気に流れ出した涙に、あたし自身も戸惑う。
哲也には見えないと思ったからあたしは、拭いもせず、ただ涙を流した。