YOU&I
哲也の一言は、あたしの気持ちそのものだった。
リョウに、他の人と付き合って欲しくない。
やっとあたしは失いかけていた自分の気持ちを見つける事ができた。
「…泣いてんじゃねーよ、バカやろっ」
息遣いでバレたのか、哲也はあたしからパッと離れると、あたしの頬をつねってそう詰った。
「‥哲也そんなんだから彼女できないんだよ」
「余計なお世話」
「(せっかくルックスはいいのに…)」
ピンポーン
不意にチャイムが鳴り、哲也は立ち上がった。
この家にはインターフォンが1階のリビングと、2階の階段前の2つある。
リョウの部屋から出てすぐ正面が階段。
哲也がインターフォンを押すと、カメラとマイクが作動する。
「…はい」
すごく低い声でそう言う哲也が少し不思議に思って、あたしはリョウの部屋から体を傾けてカメラを覗こうとした、そのとき。