YOU&I
それから1時間くらい、床に丸まって泣き続けるあたしに、ずっと哲也は寄り沿っていてくれた。
その間あたしは、ひたすら後悔した。
もっと早く付き合っていれば、こんな風にはならなかったのかと思うと、あたしに隠れて咲ちゃんと会っていた事よりも、自分が情けなくて、悔しくて、涙が止まらなかった。
「…ごめんね、哲也」
ゆっくり体を起こし、泣き腫らした顔を俯けて言った。
「別に」
「あたし‥悲しいとかより情けなくて」
「なんで?由衣は悪くないじゃん」
悪くはないかもしれないけど‥いや、違う。
「あたしが、悪いんだよ。あたしがチンタラしてるから…」
そう言ってあたしは、自嘲気味に笑う。
「俺にはよくわかんねーけど。でも、まだ手遅れでもないじゃん?」
「…」
「だって咲って奴と付き合ったわけではないだろうし」
それは、どうだろう。
あたしは咲ちゃんを何度か学校で見かけているけど、指輪は見た事がない。
つまり2人で会うときには指輪をしているって事は…こっそり付き合ってる、と考えた方が妥当な気がする。
まるで、不倫のようにコソコソと。
それにあたし達は、まだ付き合っていない。
そうなったら、どう考えてもあたしの方が邪魔者になってしまう。
また、混乱してきた。