その瞳で見つめて~恋心~【完】
──それからゴンドラが地上に到着するまでの間、あたしたちはずっと無言だった。
気づけば、いつの間にか観覧車が終わっていた。
しばらくしないうちに進藤君と真実さんが降りてきたけど、なぜか進藤君たちも無言だった。
「これで解散!」
さっきまで暗かった表情だったはずの進藤先輩は、無理やり笑顔を作って終わりを告げた。
なんだか気まずい空気を包んで終わってしまったダブルデート。
そんな中途半端な気持ちなのに、進藤君はあたしを送ってくれることにした。
「ゴンドラの中で、兄さんにキスされてたね」
「えっ?」
重苦しいムードの中で、進藤君はあたしと進藤先輩の観覧車での様子をあたしに思い出させた。
み、見られてたの!?
ていうか、進藤先輩にキスされた話になってるの!?
キスを拒否したはずなのに、進藤君は先輩とキスしたと誤解している。
「で? 返事したの?」
話が大きくなる前に急いで誤解を解こうとすると、進藤君は勝手に話を進行してしまいタイミングを逃した。
「ううん」
「え? 何、チャンス逃してるの?」
「だ、だって。突然すぎて」
とりあえず、ウソはついてない。
でも──でもね。
あたしは進藤君が好きなんだよ。
だから、あたしは進藤先輩が喜ぶような返事はできない……。
「水嶋さんはさ。ホントに好きなわけ?」
「え?」
「兄さんのこと。俺には水嶋さんがマジだとは思えない」
気づけば、いつの間にか観覧車が終わっていた。
しばらくしないうちに進藤君と真実さんが降りてきたけど、なぜか進藤君たちも無言だった。
「これで解散!」
さっきまで暗かった表情だったはずの進藤先輩は、無理やり笑顔を作って終わりを告げた。
なんだか気まずい空気を包んで終わってしまったダブルデート。
そんな中途半端な気持ちなのに、進藤君はあたしを送ってくれることにした。
「ゴンドラの中で、兄さんにキスされてたね」
「えっ?」
重苦しいムードの中で、進藤君はあたしと進藤先輩の観覧車での様子をあたしに思い出させた。
み、見られてたの!?
ていうか、進藤先輩にキスされた話になってるの!?
キスを拒否したはずなのに、進藤君は先輩とキスしたと誤解している。
「で? 返事したの?」
話が大きくなる前に急いで誤解を解こうとすると、進藤君は勝手に話を進行してしまいタイミングを逃した。
「ううん」
「え? 何、チャンス逃してるの?」
「だ、だって。突然すぎて」
とりあえず、ウソはついてない。
でも──でもね。
あたしは進藤君が好きなんだよ。
だから、あたしは進藤先輩が喜ぶような返事はできない……。
「水嶋さんはさ。ホントに好きなわけ?」
「え?」
「兄さんのこと。俺には水嶋さんがマジだとは思えない」