その瞳で見つめて~恋心~【完】
恋心の行方
「隼斗とケンカしたんだ?」
「はい……」
というか、あたしが一方的に言っただけなんだけど……。
──進藤君から逃れるために逃走したはずなのに、結局、進藤先輩の家に来てしまった。
「つーか、俺はその時点でフラれてんの、決定してんだけど」
「ごめんなさい……」
彼は大きなため息をついて、肩を落とす。
あたしだって、進藤君から逃げてきたはずだ。
けれども、真っ先に浮かんだのは自宅ではなくて、進藤先輩だったから。
「とりあえず、謝れば?」
「そんな、無理です……。だって、進藤君に大キライって言っちゃったし……」
そう言うと、進藤先輩は面倒だな……と言いたげに頭をかいて、再びため息を洩らす。
「隼斗は言ったんだろ? 由奈が好きだって。──この際言っちゃうけど、隼斗はずっと由奈のことを心配してたんだぞ?」
「え……?」
「アイツ、心配性なんだよ。由奈にだけは……な」
進藤先輩は悲しそうな表情で言う。
なぜ、そのような顔をしたのかはわからないから、憶測でしか言えない。
しかし、先輩は彼氏である自分より、進藤君はあたしのことを深刻に考えているんだ──それほど、好きな相手なんだ──との気持ちを込めているのではないだろうか。
「とりあえず、隼斗と話せよ。な?」
「はい……」
というか、あたしが一方的に言っただけなんだけど……。
──進藤君から逃れるために逃走したはずなのに、結局、進藤先輩の家に来てしまった。
「つーか、俺はその時点でフラれてんの、決定してんだけど」
「ごめんなさい……」
彼は大きなため息をついて、肩を落とす。
あたしだって、進藤君から逃げてきたはずだ。
けれども、真っ先に浮かんだのは自宅ではなくて、進藤先輩だったから。
「とりあえず、謝れば?」
「そんな、無理です……。だって、進藤君に大キライって言っちゃったし……」
そう言うと、進藤先輩は面倒だな……と言いたげに頭をかいて、再びため息を洩らす。
「隼斗は言ったんだろ? 由奈が好きだって。──この際言っちゃうけど、隼斗はずっと由奈のことを心配してたんだぞ?」
「え……?」
「アイツ、心配性なんだよ。由奈にだけは……な」
進藤先輩は悲しそうな表情で言う。
なぜ、そのような顔をしたのかはわからないから、憶測でしか言えない。
しかし、先輩は彼氏である自分より、進藤君はあたしのことを深刻に考えているんだ──それほど、好きな相手なんだ──との気持ちを込めているのではないだろうか。
「とりあえず、隼斗と話せよ。な?」