その瞳で見つめて~恋心~【完】
「やだ。離れない」
「んっ……!?」
言葉の通り、あたしの唇にキスをしかけてきた。
またもや、不意打ちのことに対応なんてできるはずもなく、すぐに解放されても「ぷはっ」と酸素を取り込む。
「ま、また……っ」
「ん? また、卑怯なキスって?」
進藤君は揶揄(やゆ)を帯びた目で、あたしを見る。
あたしが首を縦に振って肯定すると、彼は笑い出した。
「水嶋さんが俺を妬(や)かせるからだよ?」
「だからって……」
「ん? また、無理矢理されたい?」
「ご、ごめんなさい! もうしないから!」
必死に謝ると、進藤君はくすくすと笑う。
完ぺきに遊ばれていることはわかっているのに、どうして恨めないのが進藤君の長所なのかも知れない。
「はい。水嶋さんの家に着いたよ」
「ありがとう」
「うん。──また、よろしくね」
「うん。こちらこそ」
進藤君が柔らかな笑みを浮かべたので、こちらも顔がほころぶ。
「じゃあ。また、学校で」
「うん……」
実を言えば帰ってほしくない。
けれども、わがままは許されないから。
進藤君が微笑みながらあたしに手を振る中で、胸に迫るような思いをぐっと抑え込んだ。
「んっ……!?」
言葉の通り、あたしの唇にキスをしかけてきた。
またもや、不意打ちのことに対応なんてできるはずもなく、すぐに解放されても「ぷはっ」と酸素を取り込む。
「ま、また……っ」
「ん? また、卑怯なキスって?」
進藤君は揶揄(やゆ)を帯びた目で、あたしを見る。
あたしが首を縦に振って肯定すると、彼は笑い出した。
「水嶋さんが俺を妬(や)かせるからだよ?」
「だからって……」
「ん? また、無理矢理されたい?」
「ご、ごめんなさい! もうしないから!」
必死に謝ると、進藤君はくすくすと笑う。
完ぺきに遊ばれていることはわかっているのに、どうして恨めないのが進藤君の長所なのかも知れない。
「はい。水嶋さんの家に着いたよ」
「ありがとう」
「うん。──また、よろしくね」
「うん。こちらこそ」
進藤君が柔らかな笑みを浮かべたので、こちらも顔がほころぶ。
「じゃあ。また、学校で」
「うん……」
実を言えば帰ってほしくない。
けれども、わがままは許されないから。
進藤君が微笑みながらあたしに手を振る中で、胸に迫るような思いをぐっと抑え込んだ。