その瞳で見つめて~恋心~【完】
「それ、反則」
進藤君はあたしの予期しない発言に、照れを隠しきれずに口元を手で覆った。
彼につられて、こちらも頬が熱くなる。
「だって、進藤君がキスしないってさっき言ったから……」
「あ。あれ? そんなの、嘘だよ」
「えぇっ!?」
嘘だったの!?
『もうキスしない』というセリフを本気にしていたので、嘘だとあっさり認められてしまったら、脱力した。
「だって。じゃなきゃ、キスしてくれなかったでしょ?」
「うっ、そうだけど……。意地悪……」
痛いところを突かれて、相手に送れる言葉はちっぽけなものしか言えなかった。
「それは水嶋さんが可愛いからだよ。──あ。公園で話すよ」
彼は公園を見つけてさっさと入っていくので、その後をついて行く。
そして、入口のすぐそばにある木製のベンチに腰かけた。
「水嶋さんにとっては、ちょっとちっちゃな話なんだけどね」
と、前置きをすると、進藤君は深呼吸した。
「俺、女好きだったじゃん?」
「うん」
「ある日、屋上で女の子とシ終わって、階段を降りようとしたんだ。でも、水嶋さんは多分、屋上に行こうとしてたそのときにぶつかったんだ」
「え? そんなことあったっけ?」
「うん、あったんだよ。んで。ぶつかったときの水嶋さん、どんな感じだったと思う?」
「え?」
「『ご、ごめんなさい!』って顔を真っ赤にして、すごい勢いで階段を駆け下りたんだよ」
進藤君はあたしの予期しない発言に、照れを隠しきれずに口元を手で覆った。
彼につられて、こちらも頬が熱くなる。
「だって、進藤君がキスしないってさっき言ったから……」
「あ。あれ? そんなの、嘘だよ」
「えぇっ!?」
嘘だったの!?
『もうキスしない』というセリフを本気にしていたので、嘘だとあっさり認められてしまったら、脱力した。
「だって。じゃなきゃ、キスしてくれなかったでしょ?」
「うっ、そうだけど……。意地悪……」
痛いところを突かれて、相手に送れる言葉はちっぽけなものしか言えなかった。
「それは水嶋さんが可愛いからだよ。──あ。公園で話すよ」
彼は公園を見つけてさっさと入っていくので、その後をついて行く。
そして、入口のすぐそばにある木製のベンチに腰かけた。
「水嶋さんにとっては、ちょっとちっちゃな話なんだけどね」
と、前置きをすると、進藤君は深呼吸した。
「俺、女好きだったじゃん?」
「うん」
「ある日、屋上で女の子とシ終わって、階段を降りようとしたんだ。でも、水嶋さんは多分、屋上に行こうとしてたそのときにぶつかったんだ」
「え? そんなことあったっけ?」
「うん、あったんだよ。んで。ぶつかったときの水嶋さん、どんな感じだったと思う?」
「え?」
「『ご、ごめんなさい!』って顔を真っ赤にして、すごい勢いで階段を駆け下りたんだよ」