その瞳で見つめて~恋心~【完】
 * * *


 ――部活が終わって、荷物を片づけているときだった。


「水嶋先輩」

「矢野君、お疲れさま」

 ……あれ?

いつもだったら、『お疲れさまです!』って笑顔で言ってくれるのに。


「矢野君? どうしたの、熱でもあるの?」

「いや、ないですよ?」

ない?

じゃあ、何……?


すると、矢野君は真剣な顔になった。


「……俺。先輩が好きです」

「え?」

「入部したときから、ずっと」

「え? や、矢野君、あたし」
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