その瞳で見つめて~恋心~【完】
 * * *


「水嶋さん? どうしたの、さっきから」

昼休み。

最近、屋上でランチ取ることが日課になった。


 ……進藤君は、あたしとしたいって、思ってるのかな。

あたし、初めてだけど……。


あたしは進藤君を見つめた。


「水嶋さん……?」

「……進藤君はいろんな女の子と遊んできたんだよね……?」

「うん」

「……え、エッチとか……したの?」

進藤君はその質問は答えず、黙った。


やっぱり、初めてじゃ……ない、よね。

そんなの、わかってる。

けど……。


「……うん、したよ」

進藤君はあたしの考えがまとまらないうちに、言った。


「……っ、ごめんなさいっ」

「水嶋さん!?」

あたしは我慢できなくて、屋上を後にした。


 ……怖かった。

進藤君と、あれ以上いることが。


それに、少しでも信じたかったの。

進藤君が誰ともエッチしてないことが……。


泣きながら、走った。


 ……進藤君は、追ってくることはなかった。
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