その瞳で見つめて~恋心~【完】
「――今、思えば、初めてだよね。水嶋さん家に行くの」

「え? そうだっけ?」

家に着くと、進藤君は入る前に言った。


「だって、記憶ないし」

「そっかぁ。あ、先に部屋に行ってて? ちなみに、部屋は階段上ってすぐ、右の部屋があたしの部屋だから」

「うん、わかった」

リビングに行って、飲み物を取りに行く。


あ、午後の紅茶のミルクティがある。

これでいいかな?


とりあえず、持っていくことにした。


「進藤君? 午後の紅茶のミルクティでよかった?」

言いながら入ると、進藤君はあたしのベッドにうつ伏せに横たわっていた。


「進藤君? 進藤くーん?」

静かにすると、小さな寝息が聞こえてくる。


寝ちゃってるんだ……。


ペットボトルとコップをテーブルに置いて、進藤君の寝顔を見る。


 ……さすが、進藤君だなぁ。

寝顔もカッコいい……。


「ん、水嶋さ……ん」

と言って、寝返りを打つ。
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