その瞳で見つめて~恋心~【完】
 ――こーいうときだけじゃ、ズルいかな。

自分からキスするって。

でも……、したい。


ドキドキ……と心音が大きくなりながら、進藤君の顔に近づく。

そして、ゆっくりキスした。


「――し、進藤君!?」

終わって離れると、進藤君は目を開けていた。


えっ、起きてたの!?


「……水嶋さんって、寝込みを襲う、そーいうタイプなの?」

「えっ!? そんなんじゃ……っ」

「じゃあ、なんでキスしたの?」

「えっ……!」

なっ、なんで……て!


「……キス、したかったのっ……」

顔を真っ赤にしたあと、両手で顔面をおおった。


 ……進藤君はあたしの手を強引に離す。


「……同じだね。俺も、キスしたかったんだ」

と言って、……唇が重なる。


「……なんか盛っちゃってる感じになっちゃったけど、……いいよね?」

あたしは無言でうなずいた。


怖い。

だけど、進藤君だったら。


 ――大好きだよ。

進藤君……。


あたしたちはまた、キスを交わした――。
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