その瞳で見つめて~恋心~【完】
「……大丈夫だった?」
「うん……」
部屋にあるのはシングルベッドだから、ちょっとせまい。
だけど、それさえもうれしくて……。
「これからは、いっぱいしようね?」
「う、それはちょっと……」
ちょっと体がもたない気がする……。
そう言うと、進藤君は笑い飛ばした。
「まあ、時間はたっぷりあるしね。ゆっくり、ね……?」
なんて耳元でささやかれて、ドキッと胸が鳴った。
進藤君ってなんで、そんなにあたしをドキドキさせることができるのかな?
やっぱり、あたしより経験があるから……?
「……俺は好きな子なんて、いたことないよ」
「え?」
今、なんて言ったの?
あたしがキョトンと呆然としてると、進藤君はさらに続けた。
「だから、水嶋さんが俺の初恋なの」
「えっ!?」
「だから、水嶋さんとのキスとかが、俺にとっては全部、初めてなんだよ」
あたしが初恋……?
「……ていうか、言わなかったっけ?」
「聞いてない……」
「そっか。……ごめんね、不安にさせて」
後ろから抱きしめられる。
うれしい。
進藤君の初恋の相手が、あたしだなんて。
進藤君を、好きになってよかった……。