その瞳で見つめて~恋心~【完】
「水嶋さん?」

「ほえぇっ!?」

呆気に取られている最中に声をかけられたので、声が裏返ってしまった。


進藤君は、あたしが驚いた声に最初は目を丸くしていたんだけど、肩を震わせて静かに笑い出した。


「くく……っ。何、その声? 可愛いんだけど」

「ええっ!?」

「はは、やっぱり可愛い。水嶋さんって、苛めがいがありそうだよね」

「い、いじ……っ!?」

あたしがさらに驚くと、進藤君は楽しそうに声を上げて笑う。

完全に、進藤君に遊ばれている……。


「でも。そうやってると、ホントに苛めちゃうかもね」

しばらくして、さっきまで口を開けて笑っていた進藤君は突然、微笑んだんだ。

それからあたしの頭を撫でて、またにっこりとまぶしい笑顔を見せた。


──進藤君、変なの。
好きな人は、進藤君のお兄さんなのに。
進藤君にすごく、ドキドキしちゃったよ。


進藤君の表情はとてもきらきらと輝いていて、そのまぶしさで目がくらんでしまいそうだった。
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