その瞳で見つめて~恋心~【完】
 翌日──。


屋上で進藤君とお昼を食べながら、明日のダブルデートの話をしていた。


「ああ。デートの話? 聞いたよ。せっかく真実さんもそう言ってるんだし、行こっか」

「ホント!?」

「兄さんに言うと、テーマパークって言うんだけど、いい?」

「うん」

昨日から楽しみにしていたダブルデートが実現することになった。


これで進藤君との初めてのデートになるんだ。
だから、すごく楽しみ……!


「そういえば俺とデートするの、初めてだね」

進藤君もあたしと同じことを考えていた。


「うん、そうだね」

「俺、すっごく楽しみなんだよね。水嶋さんと初めてデートするんだもん」

進藤君は笑顔で言ってくれた。


──うれしい。
進藤君も同じ気持ちなんだ。


「あたしも楽しみ!」

「そっか」

進藤君はお弁当のおかずを箸で摘まみ口まで運ぼうとする手前で、手を止めた。


「それにしても、水嶋さん変わったよね」

「え? 進藤先輩と同じことを言うんだね」

進藤君はあたしに神妙な面持ちで言う。


どこが変わったのかな?
あたしにはさっぱりだよ。
それでも、進藤君がこうして誉めてくれるなら、なんでもうれしいよ。
どんな小さなことでもね。
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