その瞳で見つめて~恋心~【完】
「あ、俺ね。ここのお化け屋敷に行ってみたいって思ってたんだよね」
「え? お化け屋敷……?」
お化け屋敷という言葉に体をビクッと震わせて、過剰な反応を示してしまった。
幽霊とか暗い場所、すごく苦手なんだけど……。
「あ。水嶋さん、お化け屋敷、怖いでしょー? さっきから、判りやすすぎなんだけど」
進藤君は意地悪に笑っている。
うっ、進藤君の意地悪モード、オンだ……。
進藤君の性格なんて、よくわかっている。
けれども、素直じゃない天の邪鬼なあたしは、思わず反論してしまうんだ。
「こ、怖くないよ!」
「そう? ──あ、ちょうど目の前にお化け屋敷、見えたよ?」
進藤君はニコッと爽やかに笑いながら、目の前のお化け屋敷を指差した。
進藤君は、最初からお化け屋敷の方向に歩いていたんだ。
あたしは進藤君にマップを渡すんじゃなかった──そう、激しく後悔した。
だってあたし、方向オンチなんだもん……。
「ねえ、進藤君。やっぱり、やめようよ……」
「えー? だって、怖くないんでしょ?」
「しっ、進藤君の意地悪……! あたしが素直じゃないことや、わかりやすいことぐらい知ってるくせに!」
「そうだっけー?」
進藤君はクスクス笑いながらあたしを置いて、さっさと屋敷の闇の中へ溶け込んでいってしまった。
「あっ、進藤君……!! ──う~……っ」
やっぱり、彼は意地が悪い。
あたしが淋しくなることを見越して、置き去りにしてしまうんだから。
「え? お化け屋敷……?」
お化け屋敷という言葉に体をビクッと震わせて、過剰な反応を示してしまった。
幽霊とか暗い場所、すごく苦手なんだけど……。
「あ。水嶋さん、お化け屋敷、怖いでしょー? さっきから、判りやすすぎなんだけど」
進藤君は意地悪に笑っている。
うっ、進藤君の意地悪モード、オンだ……。
進藤君の性格なんて、よくわかっている。
けれども、素直じゃない天の邪鬼なあたしは、思わず反論してしまうんだ。
「こ、怖くないよ!」
「そう? ──あ、ちょうど目の前にお化け屋敷、見えたよ?」
進藤君はニコッと爽やかに笑いながら、目の前のお化け屋敷を指差した。
進藤君は、最初からお化け屋敷の方向に歩いていたんだ。
あたしは進藤君にマップを渡すんじゃなかった──そう、激しく後悔した。
だってあたし、方向オンチなんだもん……。
「ねえ、進藤君。やっぱり、やめようよ……」
「えー? だって、怖くないんでしょ?」
「しっ、進藤君の意地悪……! あたしが素直じゃないことや、わかりやすいことぐらい知ってるくせに!」
「そうだっけー?」
進藤君はクスクス笑いながらあたしを置いて、さっさと屋敷の闇の中へ溶け込んでいってしまった。
「あっ、進藤君……!! ──う~……っ」
やっぱり、彼は意地が悪い。
あたしが淋しくなることを見越して、置き去りにしてしまうんだから。