その瞳で見つめて~恋心~【完】
「はぁ、はぁ……っ。どう? 楽しかった?」
「ひっ、ひどい……っ」
「あはは。ごめんね?」
進藤君は全力疾走したらしく短距離なのにわずかに額に汗が噴き出し、ひどく息を切らす。
けれども、彼は悪びれた様子もなく、無邪気に笑った。
イタズラが子どもすぎる。
あたし、怖かったのに……。
「……ひっく」
「え? みっ……、水嶋さん!?」
「怖かった、のに……っ」
怖かったと同時に安心してしまい、涙がボロボロと溢れ出てくる。
進藤君にとっては、ほんのイタズラ心だったかもしれない。
けど、あたしは怖かったんだ。
「ご、ごめんね! えーと……。あっ! ソフトクリーム、食べよっ?」
「っく……、ソフト、クリーム……?」
「うん。食べる?」
「──うん」
「じゃあ、すぐ近くにあるから、行こ」
進藤君に手を引かれて、ソフトクリームを売っている車へ向かう。
その間、あたしはずっと泣きじゃくっていた。
「何がいい?」
「チョコ……」
「判った。ベンチに座ってて」
進藤君はあたしを無理やり木製のベンチに座らせて、頭を撫でていくと買いに行った。
それにしても、なんでソフトクリームなんだろ……?
別にジュースでもよかったのに。
「はい、どうぞ?」
「──ありがとう」
チョコ色に染まったソフトクリームを、両手で受け取る。
「ひっ、ひどい……っ」
「あはは。ごめんね?」
進藤君は全力疾走したらしく短距離なのにわずかに額に汗が噴き出し、ひどく息を切らす。
けれども、彼は悪びれた様子もなく、無邪気に笑った。
イタズラが子どもすぎる。
あたし、怖かったのに……。
「……ひっく」
「え? みっ……、水嶋さん!?」
「怖かった、のに……っ」
怖かったと同時に安心してしまい、涙がボロボロと溢れ出てくる。
進藤君にとっては、ほんのイタズラ心だったかもしれない。
けど、あたしは怖かったんだ。
「ご、ごめんね! えーと……。あっ! ソフトクリーム、食べよっ?」
「っく……、ソフト、クリーム……?」
「うん。食べる?」
「──うん」
「じゃあ、すぐ近くにあるから、行こ」
進藤君に手を引かれて、ソフトクリームを売っている車へ向かう。
その間、あたしはずっと泣きじゃくっていた。
「何がいい?」
「チョコ……」
「判った。ベンチに座ってて」
進藤君はあたしを無理やり木製のベンチに座らせて、頭を撫でていくと買いに行った。
それにしても、なんでソフトクリームなんだろ……?
別にジュースでもよかったのに。
「はい、どうぞ?」
「──ありがとう」
チョコ色に染まったソフトクリームを、両手で受け取る。