恋のはな
出会い
私の初恋は、5歳のとき。
真っ白な雪が降り積もった近所の公園で、“いちやくん”という男の子に出会った。
人見知りがちな私に話しかけてくれたのがいちやくんだった。
初めて会ったのにも関わらず優しくしてくれて、とにかく一緒にいて楽しかった。
同い年だって言っていたけど、私よりも少し大人びた感じがした。
笑ったときの顔が眩しくて、何よりも温かさを感じた。
いちやくんのことを好きだと確信したのは、手を握ったときに何故か心が痛んだから。
まだ幼いのにこんな感情を理解するなんて、自分でもませた子供だと思った。
勇気を出して「ずっと一緒にいたい」って言ってみたら、いちやくんはニコッと微笑んでくれた。