5年前のあの日
時計の針は18時を指している。
バイトを終えた俺は店を出た。
後ろからは亜矢もついてくる。
綺麗な巻髪に、ピンクの短いワンピース、15センチはあるヒール。
亜矢は、明らかに福岡の街からは浮いていた。
「亜矢、変わったね」
「え?」
「何か、違う人みたいになった」
その瞬間、亜矢が立ち止まる。
うつむき、顔をあげない亜矢。
「ちょっと、どうしたんだよ?」
亜矢は、肩を震わせ、うつむき、一言つぶやいた。
「全部、大ちゃんの為に、したことなのよ」
「はぁ?」
「大ちゃんが、隣のクラスの三上さんの事、アイドルみたいで可愛いって言うから、だから、私、アイドルになりたいって言って」
「三上さん?あ、あの劇団入ってた子?」
「そうよ!大ちゃん、ああいう子が好きかと思って、私頑張って」
「いや、別にタイプってわけじゃ……つーか、あん時まだ小学生だろ?」
「そんなこと知らないわよ!だから私アイドルになりたいって言ったら、大ちゃん大笑いしたじゃない!お前なんかに無理だって」
「いや、だって普通そう言うだろ?」
「だから、私、頑張ったのに、ダイエットして、ダンス習って、まつ毛エクステして」
「え?それ、付けてるの?」
「もう、うるさいっ!」
亜矢の瞳からはボロボロと涙があふれる。
アイラインが取れて、黒い涙が流れている。
もはや別人だ。
「ごめん、ごめんって。でも、俺、何か壊した?」
亜矢は、俺の顔を睨みつける。
「壊した。いや、むしろ壊し続けてる」
「え?」
わからない、女はわからない。
バイトを終えた俺は店を出た。
後ろからは亜矢もついてくる。
綺麗な巻髪に、ピンクの短いワンピース、15センチはあるヒール。
亜矢は、明らかに福岡の街からは浮いていた。
「亜矢、変わったね」
「え?」
「何か、違う人みたいになった」
その瞬間、亜矢が立ち止まる。
うつむき、顔をあげない亜矢。
「ちょっと、どうしたんだよ?」
亜矢は、肩を震わせ、うつむき、一言つぶやいた。
「全部、大ちゃんの為に、したことなのよ」
「はぁ?」
「大ちゃんが、隣のクラスの三上さんの事、アイドルみたいで可愛いって言うから、だから、私、アイドルになりたいって言って」
「三上さん?あ、あの劇団入ってた子?」
「そうよ!大ちゃん、ああいう子が好きかと思って、私頑張って」
「いや、別にタイプってわけじゃ……つーか、あん時まだ小学生だろ?」
「そんなこと知らないわよ!だから私アイドルになりたいって言ったら、大ちゃん大笑いしたじゃない!お前なんかに無理だって」
「いや、だって普通そう言うだろ?」
「だから、私、頑張ったのに、ダイエットして、ダンス習って、まつ毛エクステして」
「え?それ、付けてるの?」
「もう、うるさいっ!」
亜矢の瞳からはボロボロと涙があふれる。
アイラインが取れて、黒い涙が流れている。
もはや別人だ。
「ごめん、ごめんって。でも、俺、何か壊した?」
亜矢は、俺の顔を睨みつける。
「壊した。いや、むしろ壊し続けてる」
「え?」
わからない、女はわからない。