刹那音
翔
「律!お前のせいで朝飯カツ丼なんだけど!!」
「えっ、俺のせいじゃないよ。奏くん」
今日は合格発表。
今からカツ丼を食べても仕方ないと思う。
だってすでに、試験は終了しているのだから。
そして兄の奏が麻西に合格したときの、発表当日の朝ご飯がカツ丼だったからというのも、今日のこの朝食メニューの理由の一つだった。
「朝からカツ丼とか…ないわ。つーかベタだろ」
不機嫌そうにしながらも、そわそわしている奏くんを見て、俺はなんだか笑ってしまった。