刹那音


あの後、塾へ行った。

いろんな学校の制服がいた。


「律!そろそろ帰る?もう10時だよ」

「あ、夢架。そうだね」


そろそろみんな帰り始めた頃。


外は寒かった。

「うーわ寒いっ!3月って言ってもまだ冬みたいだねー」


夢架も俺が思ったことと同じ事を言いながら、白いマフラーを首に巻いた。


「夢架」


俺もモノトーンチェックのマフラーを首に巻きながら、夢架に話しかけた。

「なぁに?」


夢への架け橋。


夢架ぴったりの名前。

いつか夢架に聞いた名前の由来を思い出した。


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