刹那音



「あっ、もうここで大丈夫」


神社からは歩いて20分ぐらいの、まだ新しいマンションの前で、希衣は俺にそう言った。


「うちんち、このマンションの5階なんだ」


今度遊びに来てね、と希衣が笑った。


希衣は、中学に上がるときにこの辺に引っ越してきたみたいだった。




俺ん家はまだ、すこし先。


閑静な住宅街の中にある。
< 12 / 161 >

この作品をシェア

pagetop