刹那音


家の近くの公園に、満開の桜に、まだ真新しい麻西の制服。


…4月だろうか。

なんで公園なんかにいるんだ。


「あ。」

そうだ、ケータイを見れば時間が分かるかもしれない。


ポケットの中からケータイを取り出す。

取り出してみて気づく。


…今までのケータイじゃない。

黒いガラケーだったのに、いつのまにやらスマホに変わっている。

しかも、見覚えのない、とあるディズニーキャラクターのキーホルダーまでついている。


自分がいなかったのはほんの何日かのはず。

合格発表から、このおそらく4月初旬の今まで。

この数日間のうちに俺は何をしたのだろう。


スマホの使い方もよくわからない。

とりあえず、真ん中に1つだけあるボタンを押してみた。


パッと画面がつく。




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