刹那音

「ほんとにいいの?」

希衣が俺の目をみて尋ねる。

知ってる。

まっすぐ目を見て話すこと。


でもそれは、俺が友達だからってことも。


「いいよ。俺は平気だから」

「わーありがとうっ!」


また、花が咲いたように笑う。

きゅっと心臓が痛くなって…またすぐに元に戻る。


「野々宮そのマフラー可愛いね!似合ってるよ」

「あ……えっと、これは」


…ほら、

視線を伏せる。

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