刹那音
雫
夢架の告白を保留にしたまま早一週間。
考えても考えても、誰も傷つけない答えなんてみつからない。
本音を言えば。
夢架とは恋愛の関係になりたくなかった。
今まで通り笑いあっていたかった。
でももうそれはダメがもしれない。
こういうとき、一般人はどうするんだ。
「りーつ、これ1組の女子から」
「……ども」
そして今日はバレンタイン。
さっき登校したとき、下駄箱に3つチョコレートが入っていた。
しかしどれもよく知らない人から。
希衣のでも、夢架のでもない。
よく知らないのにチョコレートをわたす。
挙げ句の果てには告白までしてくる。
なんでみんなは、
そんなことが出来るのだろう。