刹那音


俺は夢架に話がある。

俺は知ってる。

夢架が実は放課後毎日図書室に行っていたことも。


情報源は、全部梓である。

顔が広いだけあって情報量もすごかった。


俺は階段を上って、図書室までの廊下を1人歩いた。

この学校の図書室はあまり使われないため、おそらく今日も夢架しかいないだろう。


…ドアの前に立って、すこし深呼吸する。

罪悪がきりきりと胸を締め付ける。

それを消し去るように、ドアを開けた。


…ガラッ。







「………あ…」



少女がつぶやいた。

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