刹那音
「今日夕飯どーしよっか?」
もうすっかり泣き止んでいつもの明るい夢架にもどっている。
本当にこの人のこと尊敬する。
俺だったら絶対無理だから。
「んー、またセブンで買って行けばいっか」
「そだねー」
学校終わってそのまま塾、帰りは10時とかになってしまうので、俺たちはいつも帰り道にコンビニやスーパーで夕飯を買ってから行っていた。
本当は中学生だから財布を持って行ってはいけないんだけど、俺らの塾に通う生徒はそんな校則守ってられなかった。
「あたしメロンパンにしよっ♪」
「ほんとセブンのメロンパン好きだよね」
玄関に向かう廊下を歩きながら、そんな他愛もない話をする。
いつもなら千尋もいるけど、今日は先に行ってもらった。
通学路から外れて、人通りが少ない道沿いに立つセブンで買っていた。
このセブンはもはや麻倉第二中生のためのコンビニであった。