刹那音
「ほーら、せっかく卒業証書もらったんだから写真とるよー!」
「あ、梓ちゃんサンキュー!」
梓がカメラわーもって現れ、俺たち三人を撮ってくれると言った。
「おい夢架泣くんじゃねーぞ」
「ち、千尋くんだって泣いちゃダメだよ!笑うんだよ!」
千尋と夢架は最後の最後まで相変わらずで、俺は思わず笑ってしまった。
そのとき。
…カシャっ。
「あ!梓今撮ったでしょ」
「えへへ~だって楽しそうだったから」
思わぬところで撮られてしまった。
…まあ、いいや。
これも思い出っぽくて。
「ほらこっちみて!いくよ~っ」
…パシャッ。
この瞬間、この刹那。
俺はいる。
写真として、俺たち三人がここにいたという刹那があった証が残る。
…ツー…。
「あれっ、律泣いてる!?」
「…え?」