空の果て
それから私達は何となく3人で遊ぶ事が多かった。
リクとカイのお父さんには魔力はあまり無かったらしいが、優秀な剣士らしい。
軍隊でもかなりのエリートで、2人は学校の授業が終わっても、家で剣の猛特訓を受けていた。
「俺、絶対に父ちゃんみたいな軍人になるんだ」
ある日、リクは真っ黒な空を見上げて言った。
「俺も」
あまり自分の感情を晒さないカイもぼそっと呟く。
「そして、あの空をいつか元通りにしたい」
リクは大声で叫ぶ。
「元通り?」
私はリクの言葉の意味がよくわからなかった。
「空は昔、青かったらしい」
カイが淡々と語る。
「空の色は、時間によって変わるんだ。昼は太陽が浮かび、夜は月と星が輝いて」
リクが嬉しそうに説明する。
「へぇ。そうなんだ」
「お前、授業真面目に聞いて無いだろ」
カイがため息をつく。

< 10 / 21 >

この作品をシェア

pagetop