空の果て
世の中には知らない事が沢山あった。

今は真っ黒な世界だけど、1000年以上前……
第3次世界大戦の前の世界はとても明るかったらしい。

太陽、星、月……そんな夢のようなものが空の彼方上空に存在していたのだ。

「無くなったわけじゃないんだ。見えなくなっただけなんだ」
カイが珍しく笑う。
「俺たちは、偉くなって、この星を元に戻すんだ」
リクの言葉に力がこもる。

「私も軍隊に入る!」

私が思わずそう言うと、リクとカイは馬鹿にしたように笑った。

「お前、剣術苦手だろ」

けらけら笑うリクの横で、カイは少しだけ悲しそうな顔をする。

「でも、お前、親父さんが黒魔術師だから」
「あ……そうか。素質があれば」
「ああ、軍隊に入らなきゃいけなくなるな」

2人はいきなり無言になった。

何故2人がそんなに悲しそうな顔をするのか、私にはわからなかった。

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