空の果て
見えない空
太陽の光と共に目が覚めるなんてことはこの世界にはない。

けたたましい目覚まし時計の音が鳴り響く部屋。

「う……」

ベッドから手だけ出して時計を止めようとするリク。

しかし、非情にもその手は払いのけられる。

「おい、リク。またあの鬼教官にどやされるぞ」

冷めた目のカイが、リクの布団を思いっきりひっぺがそうとする。

「ちょ……何すんだよ」

リクはあくまでもそれに抵抗する。

「今日は試験だろ」

カイの言葉に真っ青な顔で飛び起きるリク。
「ったく」

制服を身にまとったカイはさっさと部屋を出て行く。

慌てて制服に袖を通すリク。

部屋の中にはリクしかいなかった。


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