空の果て
高等士官学校の訓練期間に突入すると、生徒は寮生活を余儀なくされる。

リクとカイも例に漏れず、男だけの4人部屋で厳しい寮生活を送っている。

起床時間と消灯時間の管理はもちろんの事、食べるものや着るもの、外部との連絡ですら教官の監視下のもと、全ての自由を奪われ、軍人としての基礎を叩き込まれるのだ。

「今日は朝メシ食べる暇無いよな」

お腹を押さえ、走るリク。

「……これ、食え」

カイはリクにこっそりとリンゴを渡した。

「見つかるなよ」
「さんきゅ」
美味しそうにそれにかぶりつくリク。

「カイ、お前、寝なくて大丈夫なのか?」
「俺は短眠なんだよ」
「何だ?それ」
カラカラとした笑い声が響く。


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