空の果て
「おいっ、ソラ」
ふいに後ろから肩を叩かれた。

「きゃっ」
私はびくっとして振り返る。

「なぁんだ、リクかぁ」

そこにはニヤニヤ笑ったもう一人の幼馴染のリクの姿。
「カイがカンカンだったぞ」
「だぁってぇ……」
私はほっぺたを思いっきり膨らませ、その場にしゃがみ込む。

「また泣かされたのか?」
私はうつむいたまま首を縦に振った。
「しょうがないなぁ」
「しょうがなくないよ」
リクは笑う。
「カイはソラが心配なんだよ」
「私、いつまでも子供じゃないもん」

私はリクを睨みつける。
カイの前では強張ってしまう私だが、リクとはこうやって笑顔で話ができる。

「リクもカイも軍隊に入るなら私だって入りたいよ」

リクは困ったように私の隣にそっと座った。
「俺とカイは、オヤジが軍人だから、しょうがないんだよ」

リクもカイもお父さんが由緒正しい軍人で、色々表彰だってされている。でも、それを言うなら私の父だって立派な魔術師だった。
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