白いジャージ8~先生と熱い想い~
車に乗り込む。
今日は、運転席!!
「大丈夫かぁ?直の運転。やっぱり俺は飲むべきじゃなかったかな」
「大丈夫だよ!先週も練習したし、心配しないで」
今日の日の為に、何度か練習をしていた。
結婚してから全然乗ってなかったからね。
「ふ~」
助手席で一息つく先生。
シャツのボタンを外す仕草に今でもキュンとする。
幸せだな、私。
「疲れたでしょ?大丈夫?」
「良い疲れだな。大変だったけど、成功して良かった」
先生は腕を組んで、シートを少し倒した。
スピーチに、二次会の司会、本当にお疲れ様。
家でも全然練習していなかったのに、完璧だった。
先生の頭の中ってどうなっているんだろう。
やっぱり、夫婦になっても、先生のことを全部知ることはできない。
先生って本当に魅力的な人だな・・・・・・
「今、俺のこと見てるだろ」
先生は、顔を窓の方に向けたまま、目を閉じていた。
「み、みてないもん」
と嘘をつく私に先生は言う。
「見てる。絶対見てる。正直に言ってみ~」
「うん。見てた。かっこいいなって思ってた」
キョロっと目だけ私に向けた。
ニヤリと笑う。
「帰ったら、何してもらおっかな~」
私は、緊張しながらエンジンをかけた。