白いジャージ8~先生と熱い想い~







「直、ありがとう」




「私こそ、ありがとう」





口いっぱいにトマトを入れた直が、そう言った。




「何が?俺、何もしてないよ」




「生まれて来てくれて、ありがとう!!ってことだよぉ」







唇にドレッシングをつけながら、直はそんなかわいいことを言ってくれた。






愛されるということが、これほど人を安心させてくれるなんて知らなかった。





俺は、大きな直の愛に包まれながら、毎日を生きている気がする。





何があっても、大丈夫。




そう思えるのは、直のおかげ。




よく、直は言う。





“先生の愛のおかげだよ”と。







違うよ。


逆なんだ。





直の包容力とか、すげぇんだよ?




自分で気付いてないと思うけど、俺は直に愛されることでものすごく安心できるし、癒されるし、自分の存在意味みたいなものも感じるんだ。








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