白いジャージ8~先生と熱い想い~
疑惑
―疑惑―
先生の誕生日は、大成功だった。
夜は、ちょっと高いお肉を買って、家で焼いて食べた。
ケーキは、手作りできなくて、お気に入りのケーキ屋さんで買った。
手紙を書いたんだ。
恥ずかしくてなかなか渡せなくて、寝る前にやっと渡した。
二次会の手紙を読んで、私も伝えたいことがたくさんあると思ったんだ。
文字で残すのも時々は大事だよね。
先生の誕生日の翌日の朝。
先生は新学期だから早く家を出た。
その後で、ひとりで出勤しようと家の鍵を閉めている時だった。
「あ、おはようございます」
お隣の田辺さんが声をかけて来た。
「おはようございます。お仕事ですか?」
私は普通にそう話しかけた。
「そうなんです。主人よりも早く出るんですよ~」
田辺さんは朝からバッチリメイクだった。
販売の仕事でもしているのかな、なんて思いながら、鍵を閉めた。
「旦那さんはお仕事行かれたんですか?」
出た!
やっぱり怪しい。
いきなりこんな質問普通しないよね?