白いジャージ8~先生と熱い想い~
「今日、時間があったから昔の卒業アルバムで探してたんだ。そしたら・・・・・・直の2学年上だった。名前は違ったけど、顔は変わってなかった。俺は多分直接教えたことはない。でも、向こうは俺を知っていると思う」
「そっか・・・・・・そうだよね。うん。思った通りだね」
「ごめんな、直」
先生は悪くない。
何も悪くないよ。
「謝らないで、先生」
「でも、やっぱり・・・・・・俺に対して何かあるから、あんなことするんだと思う」
ショックだったけど、納得ができた気がする。
何もなかったら、あんな失礼なことできないもん。
先生のこと、好きだったのかな。
「これからどうすれば良いのか、俺もよくわかんねぇんだ。いろいろ考えたんだけど」
「そうだね・・・・・・でも、教え子だってこと、気付いて欲しいのかもしれないよ」
「やっぱりそうかな。う~ん・・・・・・ じゃあ、もう一回話すしかねぇな」
嫌だけど、このまま、何もなかったようになんてできない。
田辺さんは、最初から先生のことを知っていたのに、知らないフリをした。