白いジャージ8~先生と熱い想い~
田辺さんと話すチャンスはすぐにやって来た。
その話をしている時に、久しぶりに・・・・・・
―ピンポーン
チャイムが鳴った。
「俺、出るわ」
先生が立ち上がった。
「お前も来い」
力強い先生の眼差しが、私を安心させてくれた。
「はい、何ですか?」
玄関のドアを開けた。
先生の顔を見た田辺さんは、また嬉しそうな顔をした。
「あ、ご主人帰られてたんですね~。良かった!また車がおかしくなっちゃったんですけど、見てもらえません?」
先生は、振り向いて、私を見た。
“大丈夫だから安心しろ”
そう聞こえた気がした。
「あ~、俺も車苦手ですけど・・・・・・旦那さんは?」
「出張中なんです。どうしよう・・・・・・他に頼める人もいないし・・・・・・」
先生は、もう一度私を見て、小さく頷いた。
「じゃあ、少しだけ見てみますが、直せないと思いますよ」
先生は、田辺さんと一緒に駐車場へ向かった。
私は行かない方が良い。
先生のことを好きだったとしたら、ふたりで話したいと思う。
モヤモヤするけど、私はテレビを見て、気を紛らせることにした。