白いジャージ8~先生と熱い想い~
複雑な想い 【先生目線】
―複雑な想い― 【先生目線】
「この車なんですぅ~」
甘えたような話し方が気に入らない。
最初に会った時から苦手なタイプだとは思っていたが・・・・・・
直を苦しめる隣人の田辺。
旧姓、吉田。
「あ~、これは俺にもどうしようもないっすね。修理頼んだ方が良いんじゃないですか」
「そうですか・・・・・・じゃあ、ナビの設定してもらえません?」
どこまでもずうずうしい人だ。
高校時代に俺が教えていたちしたら、絶対に記憶に残っているはず。
俺のことを好きだったとしたら、しつこく追いかけてくるタイプのように思える。
だから、俺を好きだったとも思えない。
一体、何なんだ・・・・・・
「さすがにそれは旦那さんにやってもらってください」
ため息交じりにそう言った。
どう切り出そうかと思っていると、向こうから俺の職業を聞いて来た。
「俺ですか?高校の教師ですけど」
「え~、そうなんですか?」
どこまで、知らないフリを続ける気なんだろう。