白いジャージ8~先生と熱い想い~
「あの・・・・・・ちょっと良いかな?」
俺は車から少し離れた。
本当は、この人とふたりきりでいること自体、嫌だった。
疲れてんのに・・・・・・
早く直と風呂入りたいよ。
「吉田・・・・・・だよな?」
「え?」
俺は覚えていない。
でも、この際それは言わないでおこう。
「どこかで会ったことあると思ったんだけど・・・・・・俺のこと知ってるんじゃない?」
急にあたふたし始めた。
田辺は、目をそらし、手に持った車のキーを触る。
「あ、あの・・・・・・え?」
「どうして、知らないフリをしたんだ?」
ついつい教師モードになってしまって、敬語じゃなくなった俺。
「俺のことを詮索したり、俺に車の修理を頼んだり、駅まで送って欲しいと言ったりするのは、どうしてなのか教えて欲しい。隣に住んでいるのが俺じゃなくても、同じことをするのか?」
怒りが込み上げてくる。