白いジャージ8~先生と熱い想い~
駐車場の街灯の電球が切れかけていて、おかしな音が響いていた。
カチカチ・・・・・・カチ・・・・・・
「ごめんなさい。友達が・・・・・・先生のこと好きだったの。ずっと・・・・・・」
話し方が変わった。
田辺じゃなく、吉田に戻ったという感じ。
吉田のことも知らないけど。
「それで・・・・・・ずっと先生のことを聞いていたのでよく知っていました。でも教えてもらったことないから、知らないフリしようと思って。ごめんなさい。別に変な意味はないんです。新垣って名前だったから、もしかして?と思って、奥さんにいろいろ聞いただけで・・・・・・」
「俺もすぐに思い出せなかったから」
やっと目が合った。
教え子だとわかって、こうしてじっくり見てみると、確かに見覚えがある気がした。
「ごめんなさい。別に先生のことをあれこれ調べたりしていたわけじゃないんです」
「そうか。わかった。すまん。じゃあ、これからはお隣同士、気持ち良くお付き合いしような」
これ以上何を言っても無駄だと思った。
本当のところはわからないけど、これで解決できるならもういい。
「あの・・・・・・うちの主人には内緒にしてもらえますか?お願いします」
内緒にする意味もわからなかったが、俺は静かに頷いた。
それで、大人しくなるならそれでいいと思った。
直を苦しめないでくれればいい。
「奥さんに謝っておいてください」
「いや、別に妻は何も思ってないから。気にしないでくれ」