白いジャージ8~先生と熱い想い~






「新垣先生、戸村さんが保健室に来ました」






水谷先生からの内線電話。



フ~っと大きく息を吐いた。





良かった。


ひと安心。



これで、ちゃんと話し合いができる。






宮崎の気持ちは戸村に届くかな。




傷付いた分、殻をかぶってしまった心。




戸村の心に、ちゃんと届きますように・・・・・・








放課後になった。




「おう。戸村!」






久しぶりに2年2組の教室に足を踏み入れた戸村は、緊張した表情をしていた。




部活は岡崎先生に任せていた。






「もうすぐ宮崎も来るから」





戸村は黙ったまま自分の席に座った。



まだ一度も座ったことがなかった席。






「戸村、その髪の色、何色って言うんだ?」




「アッシュベージュです」




「へぇ、そんな色があるんだな」




「気に入ってるの」





戸村は少し微笑んだ。





「何、堂々と言ってんだぁ?いちおう、校則違反なんだけど!!」




「はは。そうでしたか」






まだ俺の目を見てくれないが、ちゃんと話せて良かった。








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