白いジャージ8~先生と熱い想い~
このふたりは1年のクラスのムードメーカーだった。
ふたりはとても仲が良く、積極的で、いつもクラスを盛り上げてくれていた。
学年でも目立った存在だった。
生活指導の立場から言えば、ちょっと問題だったけど、制服を着崩したり髪を染めたり、ファッションリーダー的存在でもあった。
どこか似ているふたり。
仲が悪くなった今でも・・・・・・やっぱり似てるんだよ。
「宮崎、髪染めたのか?」
「はい。この色、だめですか?」
「いや。ギリギリOKかな?それって何色?」
「アッシュベージュかな」
ほらな。
俺には聞き慣れないその色。
お互いに顔を合わせていなかったから、髪の色なんて知るはずもない。
やっぱり、合うんだよ。
宮崎と戸村は。
戸村は、チラっと宮崎を見た。
「お前ら、同じような色だな」
俺がそう言うと、宮崎は少し安心したように笑った。
戸村は、また下を向いた。