白いジャージ8~先生と熱い想い~
「さやか、本当にごめん」
宮崎が10回くらい謝ったところで、戸村の消えそうな声が聞こえた。
「・・・・・・もういいし」
「あんなに大きなことになると思わなかった」
最初は軽い気持ちで悪口を言った。
そこから広がって、大きないじめに発展した。
「京子にとっては過去の話かもしれないけど、私にとっては今も続いてんだよ!」
京子というのは、宮崎の名前。
「そうだよね・・・・・・私、止めたいけど止められなくて」
「もうわかったから。話すことないから帰って」
戸村はため息まじりにそう言った。
でも、本心じゃない。
話すことがないなら、今日ここへは来なかったはずだ。
きっと言いたいことは山ほどある。
「今の彼氏が勇次に聞いたらしいんだけど、さやかは勇次のこと何とも思ってなかったって。誤解してて、ごめん。勇次がさやかにちょっかい出してたんだってね・・・・・・」
宮崎の元彼が勇次。
当時、宮崎は勇次にフラれて、傷付いていた。
戸村と勇次が接近していることを知って、勝手に戸村を恨んだ。
「勇次とか興味ないし」
戸村は静かにそう言った。